活動報告

2019年06月19日(水)

一般質問①「広島市長の所信表明について」 リニア新幹線延伸をにらんで 

6月18日に一般質問させていただきました。
テーマは以下の5つです。順を追って、質問の要約と広島市側の答弁を記載します。

――「広島市長の所信表明について」
広島市の50年、100年後を見据えた上で、リニア新幹線と軸とした交通インフラの在り方を問いました。

 「札仙広福(さっせんひろふく)」という言葉があります。全国に20ある政令指定都市うち、地方中核都市といった似た性格や規模を持つ、札幌、仙台、広島、福岡の頭文字からなる造語です。このところ、この4都市の実力や勢いに差が開き始めています。福岡市の躍進ぶりは顕著です。私は広島市で生まれ育ち18年間、福岡市では読売新聞記者などとして15年、暮らしました。広島市のポテンシャルを知っているがゆえ、福岡市に引き離されていく現状に、大変もどかしく歯がゆい思いをしております。

 広島市との差は、空港の有無、そのことによる東京や世界各地からの距離感にあると痛感しています。福岡市には福岡空港があり、地下鉄で博多駅と2駅、九州一の繁華街、天神には地下鉄で10数分の距離にあります。奇跡の立地と言えるアクセスの良さで、東京―福岡間は1000kmありながら、さほどの距離感、移動のストレスを感じさせません。一方、広島市には空港はありませんし、広島空港は電車で結ばれておらず、広島市内からはリムジンバスで1時間はかかりますし、高速道路の交通事故などでリムジンバス延着のリスクが伴います。岩国錦帯橋空港は開港以降、広島市内からの利用者がかなりの割合を占めているというのは、広島空港の利便性の低さの裏返しであり、東京への心理的な距離感、ストレスも相当なものになると推察できます。熊本市では、第三セクターが中心となって熊本空港へ直通のアクセス線を建設する方向です。広島市内に空港がない状態ですから、ますます、他の政令市に差を付けられてしまうのではないかと懸念してしまいます。

 また、福岡市の特徴に、市長の発信力、アピール力の高さがあります。高島市長は、福岡の民放アナウンサー出身の44歳。私が記者時代、福岡市政を担当して感じたことは、高島市長の発言には、見出しになる言葉が入っていることで、ニュースとして取り上げられやすくしているのです。首長による定例記者会見は多くの自治体で行われていますが、よほど目新しいトピックがなければ、ニュースになりません。そのキャッチ―な言葉は紙面や電波に乗り、多くの福岡市民に届くのです。市民の市政に対する関心度はおのずと市職員のモチベーションも高まります。そうなれば、ニュースになりやすい、「日本初」、「政令市初」といった最先端の政策を提案するという雰囲気が醸し出され、部署間や職員同士での競争意識も出てきます。高島市長の言動はパフォーマンスと受け取られることもありますが、市政に関心を集めたり、市職員の士気を高めたりするための重要な要因といえるのです。

 一方、広島市ですが、元新聞記者の視点からしますと、お世辞にも広報活動が積極的、効果的だとは思えません。私が広島市に戻って1年がたちましたが、地元紙でも定例記者会見が紙面を大きく飾ることはまれです。報じないというより、新聞業界的に表現すれば、見出しが立ちにくいのではないかと思います。市長をはじめ、市職員は地道な仕事ぶりなのでしょうが、そのことがあまり住民に届いていないとなると、実に惜しいことなのです。

 広島市はどの政令市も持ちえない財産を持っています。唯一の被爆国の中で長崎市とともに、被爆地であるという歴史的事実です。恒久平和を全人類に発信でき、発信していかなければならないのです。その象徴が原爆ドームであり、平和記念公園です。この地には、海外からも多くの観光客が訪れ平和祈願をします。広島市の近隣の宮島にも多くの外国人が訪れます。広島市にずっと暮らしていると、そこにあるということが当たり前になりがちなのですが、世界的な遺産が近場にあることは大きなアドバンテージなのです。

 広島市の求心力を上げていくためには、交通インフラの強化がカギになるとみております。具体的には、①アストラムラインの環状化ならびに、広島駅との連結②都市高速道路の環状化、連結③広島市から広島空港へのアクセス線の確保。以上3つは、私たちの世代で解決しなければならないことだと思います。中でも、最大の懸案は、空港アクセス線の確保だと思います。

現在、リニア中央新幹線が東京-名古屋間で建設中ですし、名古屋―大阪間も計画されています。現行計画では、諸所の理由により、あの京都ですら、素通りです。これはなかなかのインパクトがあります。リニア新幹線が大阪から西に延びることは十分に考えられます。リニア新幹線で広島市を通過してしまうようなことがあれば、都市間競争において目も当てられない結果が待ち受けているのは言うまでもありません。広島市として、イニシアティブをとっていかなければと危機感すら抱いております。そこでお尋ねします。所信表明では、都市部の再開発に触れられていましたが、日本における広島市といった視点からの構想が見受けられませんでした。50年、100年後を見据えたうえで、リニア新幹線が大阪から西へ延伸するとしたら、広島市はどうすべきとお考えでしょうか。お答えください。

 さらに、唯一の被爆国の中の被爆地、平和都市としての情報発信力、世界的遺産を抱える優位性など、他の政令市にはない特性があります。ここを最大限に生かさない手はありません。平和都市としての発信力の向上による広島市ブランドの確立について、お考えをお聞かせください。

◎広島市の答弁(松井市長)

 椋木議員からのご質問にお答えします。「広島市ブランドの確立」について、人類史上最初の被爆都市である本市は、戦後一貫して広島平和記念都市建設法の「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴」としての「平和記念都市」の建設に努力するとともに、世界で最初に被爆し、廃墟から立ち直ったまちとして、「平和を希求するヒロシマの心」を国内外の市民社会に発信し続けてきました。
 私が会長を務める平和首長会議は、その一環としてとりくんでいますが、本年6月1日現在、世界の7764都市が加盟しており、市長就任以来、3000都市以上、加盟都市数が増えました。また、世界の為政者に被爆の実相にふれてもらい、平和を希求するヒロシマの心を共有していただくため、被爆地訪問の働きかけや国際会議の誘致などを迎える平和を積極的に推進しています。
 その結果、平成26年のNPDI外相会合、平成27、29年の国連軍縮会議、平成28年のG7広島外相会合などの国際会議が広島で開催されるとともに、平成28年には、現職の米国大統領として初めてオバマ大統領の広島訪問が実現するなど、世界への発信力はさらに高まったと考えています。さらに、昨年度の平和記念式典には世界85か国と欧州連合代表部の大使等約160人が参列し、式典の中継は海外にも配信されています。加えて、昨年度の広島平和記念資料館の入館者数は、150万人を超えており、特に、外国人については、43万人を超え、6年連続で過去最高を更新しています。
 こうしたことからも、平和を希求する広島市の姿は広く国内外に共有されており、平和都市としての広島市のブランドは既に確立されているものと考えています。今後とも、こうした取り組みを含めて平和への思いを共有するまちづくりを進め、平和都市としての発信に努めてまいります。

◎答弁(道路交通局長)
リニア新幹線の大阪以西へのルート計画は、これまでと同様に、国主導で検討されるものになると考えられることから、本市としては、広島都市圏のさらなる発展に大きく寄与するものとして、国の動向などをしっかり注視してまいります。